決戦は日曜日
今回は、大きな視点での自分の生活リズムというか日常的なルーティーンについてのお話です。
決戦は日曜日
久しぶりに大相撲をテレビ観戦しました。
春場所千秋楽。(令和6年3月24日)
次の取り組みは、尊富士 対 豪ノ山
尊富士(たけるふじ)の優勝が決まる大一番です。
尊富士は、まだ大銀杏(おおいちょう)が結えない新入幕の前頭十七枚目。
前頭十七枚目とは、幕内力士の中でも一番下の位。
24歳のまだまだこれからの力士です。
相撲中継の思い出
私の世代の代表的な人気力士といえば、なんといっても千代の富士!
あと、大乃国、北都海、小錦、曙、若乃花、貴乃花…。
他にも思いつく力士はたくさんいます。
当時は相撲人気も高く、北海道出身力士は無条件で応援していました。
優勝争いが白熱している場所では、誰が優勝するかワクワクしたものでした。
いつも注目していたのは、夕方5時台後半の横綱や大関のハイレベルな取り組みが中心でしたから、優勝決定戦はその日の取り組みの「結びの一番」というのが定番で、最後の最後に一番の楽しみが待っている感じ。
さらに、優勝決定戦が「日曜日の夕方」というタイミングも多く、新しい週を迎える上での、なんというか、気持ちの切り替えポイントみたいな…。
そんな感じで、テレビ中継を楽しんでいたものです。
歴史的な大一番
今回優勝した尊富士は、初日から脅威の11連勝。
途中2敗するも千秋楽を前に、他の力士は皆3敗以上のため、この日の取り組みに勝てば、初土俵から史上最速の優勝が決まるという歴史的な一番でした。
しかも尊富士は、前日の取り組みで右足首を傷め、救急搬送。
靭帯が伸び、大きなハンデを背負った中での最終決戦でした。
ご本人も、兄弟子の励ましがなければ出場はあきらめていたかもしれないと語っていました。
そんなシビアな状況とはつゆ知らず、私はというと…。
ゆったりとした日曜日の午後。
なんとなく相撲中継に付き合う感じで、時にウトウトしたり、時にスマホをいじりながら、何となくテレビを見ていました。
そんな中、16:30頃だったでしょうか。
急に大きな歓声が聞こえ、画面に目をやるとなんと「優勝決定戦」ではありませんか!
上記のような経緯を実況のアナウンサーが話す中、これは面白い取り組みだと画面に釘付けになりました。
がっちりテーピングがまかれた右足首のアップ。
故郷青森県五所川原市の様子。
「尊富士がんばれ!」小さな男の子の精いっぱいの声援。
気分が高まる中、時間いっぱいを迎えました。
ハッケヨイ、ノコッタ!
取り組みは五部と五部のガチンコ相撲。
危ないシーンもありましたが、結果は「押し倒し」で尊富士の勝ち!
相撲ファンのみならず多くの方々が喚起に沸いた瞬間でした。
不思議な瞬間
不思議な感覚になったのはこの後でした。
これまで、優勝決定戦といえば、テレビ中継も大詰めの5時台後半。
その場所の最後の最後に行われることが多く、テレビ中継を見ている側も「優勝が決まって、めでたしめでたし」で終わる。
という感覚があるかと思います。
今回の中継を見ていた私も、まさにその感覚で見ていました。
しかし、どうでしょう。
尊富士の優勝が決まり場内ははち切れんばかりの大賑わいになったのですが、その後、普通に次の取り組みが始まりました。
確かにまだまだ取り組みが残っているので当たり前といえば当たり前。
しかしどこか緊張の糸が切れたような、消化試合のような、オマケのような…。
日曜の夕方は、休日が終わる寂しさと、翌日の仕事や学校に向けて、気持ちを切り替える微妙な時間帯。
この時間帯をどう過ごすかが、次の一週間に入る上でちょっとした影響があるように感じます。
そのタイミングで流れる映像や音楽(例えば「笑点」「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」など)は、どこか心の切り替えにかられるアイコンのような存在。
皆さんも何かしら心当たりがあるかと思います。
知らず知らずのうちに、同じように私にとってのアイコン的存在になっていた大相撲優勝決定戦。
今回はそのタイミングをずらされたような、そんな感覚になった瞬間でした。
(ま、ただの勘違いだったんですけどね…)
執筆:スタッフ小野
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