たわみ: 車椅子テニス、35万vs1500万、車椅子バスケット、最高のパフォーマンス
ホープ再生自転車販売店長の一言 その70
ホープ再生自転車販売店長の相馬です。
お盆も過ぎて、そろそろ涼しい季節が来ても良いのではないかと思いますが、まだまだ暑いですね。
私の周りの方については、結構夏バテしている方もいるようです。
でも、私は今年については夏バテという自覚も全くなく、暑い時には暑さに合わせて、汗を掻き、汗を掻くことで適切な体温維持が出来ている感じです。
そんな夏なのですが、今年のお盆は、ゆっくりと休んだわけでも無く、どこかに観光に行ったわけでも無く、ひたすら若き頃の思い出品?の片づけに精を出しました。
以前、私は帯広に住んでいて、そこが終の棲家となる予定でしたが、両親の介護などがあり、自分の事の片づけをする間もなく札幌にやって来て、現在に至っています。
しかし、若き日に過ごした場所には、片付けされていない荷物がそのままに置いてあり、年に何度か帯広を訪ねて、片付けを続けていたわけです。
もう少し、余裕を持って物事に対処できていれば良かったなぁと、いつも考えさせられています。
そこで今日の話題というかお題は「たわみ(撓み)」です。
撓み
「撓み」(たわみ)とは、構造材や比較的断面の大きな材料が、荷重を受けることにより反り曲がった形になること。
という意味らしいのですが、このことは、先日のNHKのニュースで紹介されていた内容に、「なるほど!」と思うことがあり、先日の片づけの時の心情に重なるものがあり、ご紹介したいと思いました。
その内容とは、車椅子に関わる内容でした。
パラリンピックで活躍された車椅子テニスの国枝さんが使用している車椅子と言えば分かりやすいと思いますが、この車椅子は通常の車椅子とは違って、特殊な工夫をされたものです。
素早く動くために車輪にはキャスター角(地面に対して斜めに角度がつけられている)がついていたり、素材はかなり軽量なものが使用されていたりします。
日本の車椅子テニスのトップ選手の内、6名が日本製の車椅子を使用しており、日本の車椅子の優秀さを示しています。
値段が高いと素晴らしい物というイメージがありますが、日本製は大体35万円程度、その一方で海外のトップ選手の物は1500万円の物もあるそうです。
価格的なことで話題となったのは、1500万円の車椅子に乗った選手に、35万円の日本製の車椅子に乗った国枝選手が勝ったということがあったそうです。
パラリンピックで車椅子を使用する競技に、もう一つ「車椅子バスケット」があります。
日本のチームはとてもいいチームで、前回のパラリンピックでもメダリストになっていたはずです。
この車椅子バスケットは、見ている人が「本当に大丈夫か?」と心配するほど、ボディチェックの激しいスポーツです。
当然、車椅子と車椅子が激しくぶつかり合う場面もあり、転倒もあり、パンクなどの他、フレームの破損などもあります。
そのため、当初はフレームはかなり堅牢に製作されていて、フレームに使用するパイプ同士は溶接で仕上げられていたようですが、そうするとあまりにも堅牢に作ったことで、フレームが固くなり、クイックなターンをした時に、その遠心力に耐えられず、ターンの途中でタイヤが地面から浮きあがってしまい、車椅子のコントロールに支障が出るということが課題として残ったそうです。
さらに、選手にしてみると自分の体のパフォーマンスを最高にするためには、車椅子のセッティングは、ミリ単位で調整する必要があり、その調整をすることで、全く新しい車椅子を作り直さなければならないということも起こってしまい、選手にとっても中々良いパフォーマンスに繋がらないということでした。
そこで、車椅子のメーカーは、フレームのパイプ同士の接合を溶接ではなく、金具で接合することで、ミリ単位の調節を可能にするという工夫をしたのですが、実はこの工夫が予期しない事態を引き起こしたそうです。
それは、悪いことではなく、選手にしてみると、どうしても避けがたい事態を解決に向かわせるものだったようです。
接合部を金具にしたことで、溶接に比べて、若干の「たわみ」が生じることとなったのですが、この「たわみ」が、先ほどのターンの最中の遠心力を吸収して、地面からのタイヤの浮き上がりを防止して、安定したパフォーマンスを生み出せることに繋がったということでした。
最近の私たちの生活は、かなりキチンとした状況の中で、精密な擦り合わせであったり、ちょっとのズレも許されないような状況を強いられることが多くなってきたと思います。
そんな中で、求められるものはより精密なものが好まれますが、それに対応しているのは人間ですから、常に繊細精密さを求められても、応じられない事態も出てきます。
それでも繊細精密さを求められ続けるので、人としての限界を超えたことをやらなければならない事態に疲れ果ててしまうことも出てきていると思います。
仕事や作業の内容は繊細精密であることは良いのですが、それを行う人の心に余裕があって欲しいですね。
その心の中の余裕を「たわみ」と見なして、色々と押し寄せてくる重圧を、車椅子のターンの時に生じる遠心力に見立てて、上手に吸収することで、円滑に物事を理解し、実行できるようになると私は考えた訳です。
この「たわみ」は、一見無駄なものの様にも見えますが、実はとても重要な役割をはたしていたということが理解できると思います。
「たわみ」=「余裕」を持った日々を送って行けるように、心掛けたいなと思わされた出来事でした。
ということで、今回はここまで。
今回のブログを読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
そして、ここからは、いつもの様にホープ工房の宣伝です。
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また、完全無添加・無着色の犬用チーズおからクッキーやプロミュージシャン監修の
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