多数決で本当にいいの？

会議や相談、みんなで何かを決める時、最終的に多数決で決める事ってよくありますよね。

しかし、実は多数決は本当の意味でみんなが納得できる結果にはならず、妥協や我慢のストレスの方が多いのが実態だそうです。

そんな思いを少しでも軽減するのがボルダルールです。

何それ？

ボルダルールとは、立候補者に点数をつける方法。

一人一票の多数決とは違って、本来の在り方により近い決定を導くことができます。

３人の立候補者（Ａさん・Ｂさん・Ｃさん）と９人の投票者という設定でシミュレーションしてみましょう。

多数決はシンプル

一番の接戦で僅差で結果が現れるとしたら、このようなパターンでしょう。

Ａさん　４票

Ｂさん　３票

Ｃさん　２票

Ａさんに投票した人が一番多かったので、普通の多数決ならＡさんが当選します。

しかし、嬉しいのは4人で残念なのは５人。残念に思う人の方が多いのです。

つまり、Ａさんに対して賛成していない人の方が多いのにＡさんに従わなければいけないという理不尽な現実が待っています。

ボルダルールではどうなるでしょう。

ボルダルールでは、

一人一票ではなく、それぞれの候補者に点数をつける。

仮にこんな配点にします。

１番良い…３点

２番目に良い…２点

３番目に良い…１点

例えば

①上の多数決でＡさんを１位に選んだ４人が

２位にＣさん、３位にＢさんの順に投票すると仮定します。

上記の点数に置き換えると

１位　Ａさん…12点（４人×３点）

２位　Ｃさん…８点（４×２）

３位　Ｂさん…４点（４×１）

②次にＢさんとＣさんに投票した５人が全員Ａさんに対し反対派だと仮定します。

すると点数のわりふりが下記のようになります。

Ｂさんを１位に選んだ３人が

２位にＣさん、３位にＡさんを選んだとすると点数は下記のようになります。

１位　Ｂさん ９点（３人×３点）

２位　Ｃさん ６点（３×２）

３位　Ａさん ３点（３×１）

Ｃさんを１位に選んだ２人が

２位にＢさん、３位にＡさんを選んだとしたら、

１位　Ｃさん ６点（２人×３点）

２位　Ｂさん ４点（２×２）

３位　Ａさん ２点（２×１）

全ての点数を集計すると…

Ａさん17点　（12+3+2）

Ｂさん 17点　（4+9+4）

Ｃさん 20点　（8+6+6）

結果が真逆になりました。

多数決でＡさんに投票しなかった５人の思いが反映された結果になったと言えます。

より多くの人たちの思いが反映された、より良い選択ができるシステム。

日本の選挙でもやってみて欲しいなぁ。

参考文献：「週刊まるわかりニュース」の「ミガケ、好奇心！」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211104/k10013334101000.html

（補足：Ａさんを１位にした４人の２位と３位の配点をＢさんとＣさんを同点にしたり、逆にしたとしてもＡさんが１位になることはできません。）

執筆：スタッフ小野