シマウマは自分の個性を知りません

先日、とある芸人さんのユーチューブ動画を見ていたら、こんなクイズをしていました。

出題者：「これから言う【名言】は、著名人が言ったものでしょうか、それとも私（出題者）が勝手に考えたものでしょうか？もし、著名人だとしたら、それはどんな方が言ったものでしょうか？」

というクイズでした。
そのクイズで出題されたいくつかの名言の中で、ひとつ印象に残ったものがあったのでここで紹介したいと思います。

「シマウマは自分の個性を知りません。」

シマウマといえば、アフリカの草原で群れをなして生活し、弱肉強食の厳しい野生の世界においては、肉食動物の餌食になるような、ちょっと弱い立場。
また、ウマといっても種類としてはロバに近いそうで、一般的な「馬」よりも頭もさほど良くないそうです。
確かに、馬やロバのように人間の生活に関わっていないし、シマウマが主役の物語もほとんど見かけたことはありません。

一方、シマウマ柄（ゼブラ柄）は、人が着るファッションとして考えるとかなり攻めたデザインです。
多くの人が身に着けるような一般的な柄ではありません。
むしろ個性的で、ファッションセンスもしくはその他の自己主張など何か他の人とは違うものを持っている、そんな意識の表出として選ばれるデザインの様に思います。

これはあくまでも私個人の感覚であり、自然の摂理と人間の価値観の違いと言ってしまえばそれまでですが、共感していただける部分も多いのではないでしょうか。

私は、この言葉を聞いた時、「おぉ、なるほど」と思いながら、いろんな解釈ができるなと感心しました。

例えば…

「自分には力が無く、一人では何もできない。
何の価値もなく、頭も悪く、強い者の力に屈する弱い人間。」
と思っている人がいると思います。
「そう思っているのは自分だけ。周りの人は、そうは見ていませんよ。
あなたほどの個性を持った人はいませんよ。」
という感じかなぁ、とか…

人の目を気にしすぎて本質を見失っていませんか？
シマウマはあれだけ個性的な風貌でありながら、謙虚につつましく暮らしている。
という感じかなぁ、とか…

厳しい自然環境の中、弱いながらも生き抜いていこうという工夫。
人とは違う何かを身に着けて自分らしい生き方を見つけよう。
という感じかなぁ、とか…

シマウマやキリンなど特徴的な柄や色を持つ動物もいれば、ゾウやサイ、カバのように地味な色の動物もいる。
しかし、もっと視野を広げれば、大きさ、形、体の特注などそれぞれにいろんなところに個性がある。
一方的な限られたものの見方をしていると、良いものを見逃してしまう。
という感じかなぁ、とか…

なるほど、なかなか深い名言だなぁ。

と思って、動画を見進めていました。

これはあくまでクイズですから、他の芸人さんも同じようにいろいろと推察していました。

ファッション業界の偉い人が言ったのでは？

教育関係の偉い人が言ったのでは？

子だくさんで有名な芸能人の方が、何かの取材で言ったのでは？

しかし、答えはそうではありませんでした。

答えはナント！
出題役の芸人さんが考えたものだったのです！

なんとなく、ボケーッと換気扇の下でタバコを吸っている時に思いついたそうです。

一同、びっくり！
ある人は「コレコレ、こういう意味で言ったんじゃないの？」
ある人は「コレコレ、こういうこと言ってるんじゃないかと思ってめっちゃ心に刺さったわ！」
などとリアクション。

しかし、当の本人は、
「はぁ、そう聞こえます？別に何も考えんとポロっと出て来ましたわ」
とのこと…。

なんだかいろいろ考えてしまいましたが、心に残る名言って、いがいとそんな風に出来てるかもしれませんね。

執筆：スタッフ小野