最高級品A5ランクの国産黒毛和牛
黒毛和牛
霜降りの美しい紅白の模様。
高値で取引され、そうそうめったに食べることができない高価な食材です。
ものによっては、専門店や高級レストランでもなかなか手に入らない品物もあり、高級食材の王様のような位置にある。
そんな印象があります。
15年ほど前、私は数カ月間ではありますが、住み込みで黒毛和牛を飼育する牧場で仕事をしていました。
そこで聞いた、ちょっとこまった話。
デリケートな生き物
黒毛和牛の飼育は、結構デリケートで難しいものです。
病気やストレスなどは肉の状態に良い影響を与えないため、餌や住環境の整備などに神経を使うという話をよく耳にします。
1回に与える配合飼料の量は飼育月数により細かく分けられ、寝床の糞掃除なども毎日の作業スケジュールのなかでしっかりと管理されていました。
そんなある日、牧場で使用する水を見直す計画が持ち上がりました。
上層部の方たちが業者さんとやりとりをして、大規模な浄水器の設置工事の日程などを決めていました。
その浄水器は、すでに本社(食肉加工工場、レストラン施設など)や提携の養豚場などですでに採用されているもの。
当時、私が従事していたレストランでも、お客様からよく「ここの水、おいしいよね」と言われていました。
また養豚場では、その水に変えてから豚の肉質が良くなるなど、はっきりとした改善がなされていたので、黒毛和牛の牧場でも更に良い牛肉を生産できるだろうという考えでいたのではないかと思われます。
しかし、設置工事は土壇場になって立ち消えてしまいました。
それはなぜか…
良いことが悪いとされ、悪いことが良いとされる…
よくよく話を聞いてみると、肉牛の生産にはその水は不向きだということなのです。
その水を飲むと、高級牛肉には欠かせない、あの「サシ」が消えてしまうというのです。
簡単に、簡単に言うと、牛が「健康」になってしまう、ということだそうです。
高級牛肉の象徴、「サシ」は脂肪です。
黒毛和牛は、牧場ではほとんど運動をせず、ただひたすら食べては寝て、また食べては寝るの繰り返し。
30カ月後にはマルマルに太った状態で出荷されていきます。
これを業界では「肥育」と呼びます。
正直、あまり健康的なものではありません。
しかし、これが日本のトレンドであり商品価値であり、これが「良し」とされ、高値で取引される高級品となるのです。
いろんな国や地域で「食」に関する価値観の違いはよくある話ですが、高級牛肉のあり方もどこかで見直す必要があるんじゃないかなと感じたお話でした。
モノの本質とは…
現在のホープでの様々な業務とはかなり離れた話題ですが、「モノの本質」というのがどこにあるのか、それを見失わないためにどうしたらいいのか。
そんなことを考えるには参考になる事例ではないかと思います。
執筆:スタッフ小野
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