身近に潜む、熊の影…

今年、札幌で起きた珍事件に「東区の住宅街に熊出没」があります。

この現場、実は私の住まいのすぐ近くでした。

本当に驚きでした。

札幌市内でも北区や東区の外れの方は、かなり田舎の空気感が漂い、自然豊かな地域が広がります。

しかし、地形的にはほぼフラットで熊の住みかや隠れ場所となるような山は無く、現実的に熊の姿を見かけることなどないだろうと思っていました。

恐らく熊自身も、腹が減って食べる物を探しに歩いてたら、まずいところまで来てしまった…という感じだったのではないでしょうか。

かなりパニックだったでしょう。

焦りと恐怖と不安に包まれ、自分を見失っていたのかもしれません。

決して平常心では無かったのではないかと思います。

残念ながら駆除されてしまったので真相は定かではありませんが、どんな気持ちでいたのか、聞いてみたいものです。

童謡に隠された謎

熊の目撃体験をそのまま歌にした作品があります。

みなさんご存知の「森のクマさん」

私は30年以上前からずっと疑問に思っていたことがあります。

歌の概要を確認しながら考察していきたいと思います。

あるお嬢さんが花咲く森の道を散歩していると、熊に出会います。

この時、お嬢さんはさほど動揺したような様子ではなかっようです。

何故なら、熊との遭遇はかなり危険な状態なはずなのにもかかわらず、その逃避のキッカケは、熊自身からの声かけによる物だったからです。

少しのんびり屋のお嬢さん。

一方、自分自身の危険性を自ら申告しているクマさん（果たして怖いのか優しいのかよくわかりませんが）、かなり冷静な判断です。

恐らくこんなシチュエーションは初めてではないでしょう。

札幌の熊とは全く正反対です。

さて、クマさんに逃避を促されたお嬢さんはその場を走り去ります。

スタコラサッサッサのサ…

みなさんは、この童謡で描かれている「お嬢さん」はどんな感じのキャラクターをイメージしていますでしょうか。

私の勝手な想像では、サンドウィッチと果物の入ったバスケットをヒジにかけてスキップをしながらピクニックを楽しんでいる。

白い貝殻の小さなイヤリングを付けた西洋のお洒落なお嬢さん。

と言った感じです。

そのお嬢さんがスタコラサッサッサのサと逃げる。

ちょっと慌てたようなコミカルな感じ。

改めて考えると、このピンチになんとも緊迫感にかけます。

しかも、後からついてくるクマさんは、

トコトコトコトコト、と、なんとも可愛らしい描写。

本当に愛らしいテディベアのよう。

ともすれば、お嬢さんより可愛らしさが強いようにも感じられます。

お逃げなさいと言われたお嬢さんは、後から追いかけてくるクマさんを見て、どう感じたのでしょう？

逃げろというから逃げているのに、なぜ追いかけてくるの？

しかもあんなに可愛らしく…。

そしてクマさんは一言

「お嬢さん、お待ちなさい。イヤリングを落としましたよ」

可愛らしいのか、男前なのかキャラ設定にブレを感じます。

お嬢さんは恐らく、おっちょこちょいな気質なのでしょう。

その上、あっけらかんとしていて、物事には疑うことなく素直に正直に対応する方なのでしょう。

そうでなければ、逃げろと言われた危険な熊に対して、「お礼に、一緒に歌を歌いましょう」などと、なかなか言うことはできません。

そして、このクマさん、どこまで優しいのでしょうか…。

自らの危険性を事前勧告しておきながら、落とし物に気づき後を追いかける…。

そんな勘違いをされてもおかしくない行動にもかかわらず、超紳士的な行動に出るクマさん。

これが札幌の市街地なら、猟友会に見つかったら殺されてます…。

最後、お嬢さんとクマさんは楽しく歌を歌いながらこの曲は終わっていきます。

果たして、この歌が伝えたかったことは一体なんだったのでしょうか…。

単純な熊の危険性を訴えるものではないことはわかります。

「甘い言葉には気をつけろ」ということでもないようです。

「危険なことほど楽しい」ということでもない…。

もっと深い意味があるのではないでしょうか…。

本当に伝えたかったメッセージとは!?

最後に私なりの見解を示して、このプログの結びとさせていただきます。

男と女の出会いは、ひょんなところから始まります。

今、どんな状況に置かれていたとしても、素直で正直な対応をするよう心がければ、最終的に良い方向に導かれる。

変に心の裏を読んだり、周りに気を遣って本心ではない行動を取ったり、人の目を気にしたりせずに、純粋に正しいと思う行動をとろう。

そうすれば、必ずちゃんと見ててくれる存在があって、徐々に身の回りが整理されて、ハッピーエンドが待っている。

そんな男女関係の秘訣を歌ったのではないでしょうか。

皆さんはどう思いますか？

執筆：スタッフ小野