とある山奥で…。

以前、林業作業員をしていたころの話です。

夕方、山奥での仕事を終え、ワンボックス車に作業員8人フル乗車、（当時一番若かった私が運転）狭い林道を下る途中の事です…。

はまってしまいました…。

林道脇の深い側溝に左側の前後輪ガッツリと…。

同僚のSUV車に引っ張ってもらいますが、脱出不能…。

そこで、某ロードサービスに救出を要請することにしました。

携帯の電波が届く場所まで、同僚の車に乗せてもらい山を下り電話をかけました。

コールセンターの受付の方に事情を説明すると、「林道はサービス提供外」との事…。

しかし、私が長年会員であることもあり、特別に引き受けて下さいました！

しばらくしてレッカー車がやってきました。

私が「宜しくお願いします！」と愛想よく挨拶をすると…

「チェッ！林道なんて普通やらねえんだぞ！ムリなら帰るからな！知らねえぞ！」

と、レッカーの人、かなりのキレっぷり…（コールセンターの方に無理やりお願いされたのでしょう。）

気まずい雰囲気の中、レッカー車の助手席に乗せてもらい狭い林道を現場まで案内します。

「なんだこの道！危なかったら、あんたらほっぽって引き返すからな！」と、相変わらずのキレっぷり…。

困った時の神頼み…

私も逆ギレしたいところですが、ここはぐっとこらえ、心の中で神様に祈りました…。

「あー神様…どうか私が逆ギレすることがありませんように…そして、どうかこの人の機嫌が直って、無事に車を引き出すことが出来ますように…」

と、その時！

なんと車の20メートルほど前方をクマの親子が横断しました！

すると不機嫌だったレッカーの人が、

「わぁ！クマだ！今のクマだよね！びっくりした！いやー初めて見た！すごいもん見た！」

と、大興奮！

そして、このテンションを保ったまま現場に到着し、はまった車も難なく救出。

結局、最後までこのテンションをキープしたまま、上機嫌で去って行かれました。

全知全能の神！

自分の力ではどうすることもできない…神様は私の祈りを聴いてくれている…

しかし、熊を用いるとは…神様おもろい(^^;)

神様がその気になれば、熊だってなんだって自由自在に動かせちゃうんですね！

「…天の下にあるものは全て私のものだ。」　　　　　ヨブ記41章11節　　聖書

執筆：スタッフ阿部（光）