猫のゆうぞう
猫のゆうぞう
我が家には約15歳になるおじいちゃん猫の「ゆうぞう」がいます。
当時、私は前々職の職場のある江別市に住んでおり、ある日、弟からメールがありました。
「うちで猫を飼うことにしたから」
その出会いは、突然でした。
ある日、当時飼っていた犬の「カイゼル」が、あまりにもワンワンうるさく吠えているので様子を見に行くと、「ニャーニャー」と細い鳴き声が。
よく見てみると、足場の板の下で小さな子猫が震えておびえているではありませんか。
どこからどうやってきて、ここにたどり着いたのか皆目見当もつかない状況でありましたが、どうやら衰弱しているようで、このまま放っておくわけにもいかず、家に連れて帰ったとの事。
体をふいてやり、水をやり、しばらく家でゆったりすごしていると、だんだんリラックスしてきて、顔を毛づくろいし始めました。
その様子を見ると、まるで往年のスター加山雄三が「幸せだなぁ」と照れながら鼻の横あたりを人差し指でさする姿を連想させました。
そんな姿を見て、若いころから若大将シリーズが好きだった父が「ゆうぞう」と命名。
すっかり中年以上の人間ばかりになってしまった我が家にアイドルがやってきました。

それから約15年、寝る時はいつも母の枕元、昼間はいつも父の膝の上が定位置でしたが、今年の春、父は他界し母は施設での生活になりました。
今は、私と弟とゆうぞうの二人と一匹の生活。
勝手な解釈ですが、彼はまだ我が家がどういう状況なのか、把握しきれていなのではないだろうかと感じます。
「ねぇ、お父さんは?」
「ねぇ、お母さんは?」
「昼間は誰も居ないし、夜も一人で寝るのはさみしいなぁ…」
朝起きた時、職場から帰宅した時、私に向かって鳴く「ニャーニャー」のアピールにそんな気持ちが込められているような気がしています。
できるだけ、かまってあげるように心がけています。
(といいつつ、こちらが癒されています。)
執筆:スタッフ小野(もうすぐ53歳・ネコ派)

